昔ながらの暮らしの知恵。
マガジンハウス(2007)
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雑誌の形態をしているが、ぱらぱらとめくるというよりはじっくりと読む本。タイトル通りの昔ながらの知恵がぎっしり詰まっている。もちろん、ノウハウ本的に日々の暮らしの参考にするのもよいが、エッセイとして、あるいはドキュメンタリーとして、腰を落ち着けて読むに値する。テレビで言えば「ゆるナビ」の世界(終わっちゃいましたが、、、)。
全編を通して感じられるのは、無駄を嫌う「もったいない」の思想と、ひと手間かける工夫。これらがあいまって、無駄を排しながらもケチではない、手間をかけながら自然も活きている、質素と便利、そして、おしゃれの調和の取れた世界だ。
しかし全てを盲目的に取り入れることは既に出来ない。これらの多くは身の回りに自然があふれ、生活のスピード、物の価値観が今とは違う良き時代の中ではぐくまれ、伝えられてきたものだ。今や私たちの生活から自然は遠ざかり、価値観も狂っている。暮らしの知恵は、人を取り巻く環境の中で生まれてくるものだ。その環境が変われば知恵も変わる。
だが後戻りは出来ない。車もパソコンもインターネットも捨て去ることが出来るか。いつか捨て去らざるを得ない日が来るのかもしれないが、なるべくその日を先に押しやり、今の暮らしを持続させる努力が必要である。そのために最も重要なことは、この本の中で語られる精神を受け継ぎ、今、この時代において後世に伝えることが出来る暮らしの知恵を作り出していくことだと思う。
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このエントリーは書評ポータル「本が好き!」から頂いた本の書評です。
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