日々彷徨
興味を引かれるものにふらふらと吸い寄せられながらウン十年。 過去と現在に出会った物を記録しようじゃないか。 海外ミステリの話が多くなると思うんだけど予断は許さない。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
古い骨(アーロン・エルキンズ)


オンライン書店ビーケーワン:古い骨


古い骨

アーロン・エルキンズ
青木久恵(訳)
ハヤカワ・ミステリアルプレス
OLD BONES(1987)
Aaron Elkins

[bk1で詳細を見る] [amazonで詳細を見る] [古本市場で詳細を見る]icon

過去の殺人、骨業界物

人類学教授で骨の研究を専門とするギデオン・オリバーが、発見された人骨をもとに過去の事件、そしてそこから現在へとつながる事件を解決していくシリーズの代表作。ギデオンはこの名前が気に入っていないので、「スケルトン探偵シリーズ」と呼ぶのは控えておこう。

ギデオンが扱うのはもっぱら古い骨であり、それも古ければ古いほどよい。現在の殺人事件でも身元不明死体などで当然骨の鑑定というのはありえるが、ギデオンはこちらは全くだめである。実際の殺人現場に行けば必ず気分が悪くなるし、血や肉がついた骨は絶対彼の興味の対象にならない。したがって事件は必然的に過去、それも数十年前におきた事件の骨にまつわる謎を解き明かすというスタイルをとることになる。

いってしまえばワンパターンなのだが、ギデオンの教授らしからぬ軽いノリ、どこにでも顔を突っ込むお調子者の性格と、素人探偵であるギデオンをサポートし、よき友人である(これもまたらしからぬ)FBI特別捜査官ジョン・ロウ、そしてギデオンの妻ジュリーの3人が織り成す会話がなんとも言えずほのぼのとした雰囲気を醸し出している。シリーズ物の武器は登場人物の魅力に尽きるが、このシリーズにおいてもこの3人が出てくるだけでいいや、と思わせる魅力を持っている。

このシリーズのもうひとつの特徴は、毎回世界各地の色々な場所が舞台となることが挙げられる。古い骨が発見される場所も色々バラエティに富んでおり、旧家の地下室、ホテルの庭、果ては氷河の中など盛りだくさんである。教授であるオリバーは学会だの講演会だの適当に用事を作って世界中飛び回ればいいが、シアトル勤務の連邦捜査官であるジョンを如何に作品に登場させるかという難問に作者は苦労させられている。読み手としてはプロットやトリックに多少無理があっても気にならないが、今回どうやってジョンが実際に現地までやってくるのかの方が気になり、「うーん、それはちょっと無理があるんじゃないの」とか思ってしまう。でも彼が出てこないと読者としても楽しみ半減なので、もちろん誰も文句は言わない。

この作品はシリーズの3作目であるが、アメリカ探偵作家クラブ賞を受賞し、出世作となったこともあり、日本で最初に紹介された作品である。シリーズの大きな魅力は登場人物であるが、個々の事件は完全に独立しており、どの作品から読んでも面白さを損なうことは無い。北フランスを舞台に第2次世界大戦にまでさかのぼる本作品は文句無く面白く、ここから読み始めるのもよいが、ひとつだけ大きな問題がある。ジュリーがほとんど登場しないのである。ギデオンとジュリーは2作目で初めて出会い結ばれるのだが、3作目である本作品ではこの3人が顔をそろえるという定番がまだ確立していなかったとも言える。とはいえ、毎晩のように長電話でのろけながら事件について語り合うので、二人の会話は十分堪能することができる。


[bk1で詳細を見る] [amazonで詳細を見る] [古本市場で詳細を見る]icon



スポンサーサイト

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://euglena.blog23.fc2.com/tb.php/25-766efedb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。